クリエイターズファイル

高山英樹/TAKAYAMA HIDEKI

益子町下大羽在住/石川県出身 文化服装学院卒業後、都内で舞台衣装や布のオブジェを制作。のちに、北米、中米、アジア、ヨーロッパなどを旅しながら、国内で内装や家具の制作を手がけるように。益子のオーガニックカフェの草分け「ジャームラウンジ」を造るために通ったことが縁で、2002年に移住。

高山は、テーブル、イス、鏡など、古材による家具の制作や
カフェスペースなどの建築プロジェクトへも参加して活動している。
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自宅も、2階建ての大きなプレハブ小屋を業者に建ててもらい、
床も無い状態から住み始め、
数年かけて家族でコツコツと「家」として作りあげていった。
 

 

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とうちゃんが作るテーブルは、ほんとにすごい!

高校生のひとり息子は、気負いもテレもなく、父の作品について語る。

父のことを尊敬の気持ちを込めて「こざいのマジシャン」と呼ぶ。

こざい。
高山はいくつもの「古材」をパッチワークのように組み合わせ、家具を作る。

コーヒーを飲みながら肘をついても、てのひらで触っても、

軽くため息をつき頬をのせても、高山のテーブルは、
さわって気持ちよい質感をしている。

高山は、常に木をさわり、肌ざわりを確かめながら作っていると言う。

角の削り方にしても、
自分でさわって気持ちよいエッジの出し方にこだわっている。

 

最初はゴミ同然の古材も、時間をかけて磨けば磨くほどきれいになり、

木の肌が人に優しく心地よいものになってくる。

木の肌触りを大切にする高山の考え方のルーツは、

自身の創作活動が布を素材として舞台衣装を作ることから
スタートしたことにある。

人の手や皮膚は、まず、服に触れ、次に、家具に触れ、
そして、家に触れる。

服も家具も家も、みんな皮膚感覚でつながっていて、人を包む。

だから、服も家具も家も、みんな自分で作りたいのだと笑う。

そして、「肌触り」と同じように大切にしているのが「関係性」だと言う。

 

古材を紡ぎ合わせるとき、メインの1本を決めたら、
その隣にあう木、次に隣り合うのは・・・と、
関係性を大切にしながら決めていく。

そして繋がりあった古材は、
「もともと1枚の扉で、それが古くなったのですか?」と
聞かれるほど、
しっくりとなじんでしあがっていく。
古材を紡ぐマジシャンの仕事だ。

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 ◆これまでの展覧会
2006年、益子スターネットZONE 「高山英樹WORLD FURNITURE展」/2007年、沼津EFFOR 「高山英樹 家具展」/2008年 沼津 ケンブリッジの森、熱海KICHI+同時開催 「高山英樹 家具展」/2010年、静岡223cafe